この10年、子どもたちを取り巻く環境は大きく変わってきました。
社会の移り変わりの中で共働きの家庭も増え、そのニーズに応える形で
幼稚園における預かり保育の拡充や保育園の増設など、
子どもたちを「預ける場所」が増えてきたこともその一つです。
これからもその流れは更に加速をしていくことと思います。
子どもたちが小学校にあがった後も、
大人が「預ける場所」として求める視点と同時に
子どもたちの目線から「預けられる場所」として何が必要か。
そこにしっかりと目を向けた場所をつくっていきたい。
それが設立の動機です。
子どもたちが幼少期を終え、小学生になるこの時期に必要なものは、
心と身体を存分に使い、それを他人と共有し体験することで得る成功経験と失敗経験です。
それを自分の力で得る原体験の蓄積こそが、子どもたちの生きる力になると信じています。
「ratoon:ラトゥーン」とは「新芽」という意味です。
幼稚園生活の中で育まれた心の根っこから「小さな芽」がではじめるこの時期、
その小さな芽はいつか大きな木に成長し、子どもたちの未来を根底で支える力になります。
ratoonでは、子どもたちの"やりたい"を叶え、生み出すたくさんの仕掛けを通し、
自分の想いが人と「つながる」心地よさ、大切さを感じながら、
わくわくするような毎日の中で、子どもたちの心に芽生えた「新芽」が
健やかに成長していくことを願っています。
そしてここに関わるすべての大人が、
「子どもの頃、こんなところがあったらよかった」
そう思えるような場所づくりを目指しています。
ratoon施設責任者
渡辺 哲也
はじめまして。
大学卒業後、商社の営業マンとして働いていましたが、
このたび縁あってratoonに携わることとなりました。
生まれたばかりの一児の父として子育てをしながら
子どもたちの成長に関わるという大きな命題とともに、
私自身も成長していけたらと思っています。
児童の皆さんを迎えるにあたり、自分の小学校時代を思い返すと
「週末は、父親と少年野球漬けだったな」
「習い事で水泳や習字に行っていたな」
「担任の先生と、自転車で江戸川をどこまでも下ったな」
まず浮かぶのは、そんな放課後の思い出ばかりです。
放課後の小さな冒険や体験が、自分の一部になっていることを改めて感じます。
小学生の頃の夢は「自動車をつくる人」になることでした。
ぶつかっても壊れない、とても丈夫な車をつくりたいと思っていたものです。
残念ながら、その夢は実現に至りませんでしたが、
商社時代に自動車メーカーなど、さまざまなお客様を訪問するうちに
「どうやったら、こんな職業につけるのだろう?」
「どうしたら、なりたいものになれるのだろうか」
「どうやったら、そんな目標を持てるようになれるのだろう」
いつしかそんな思いが生まれてきました。
ratoonの設立にあたり、放課後という心に残る時間の中で
学校では得難い出会いや経験を通じて、子どもたちの探究心や
将来に対する動機や夢が芽生える場所をつくりたいと思っています。
今まで温かな環境の中で育まれていた根っこから、
新しい世界へまっすぐ伸びていく新芽を育てる力。
それが私たちの担う役目でありたいと願っています。
子どもたちの小さな原動力を形にできる力になれたら幸いです。